富良野市博物館
博物館講座「変形菌採集&観察会」木の葉や朽木などの表面に発生するとても小さな生き物・変形菌(粘菌)を観察しました。講師は室蘭工業大学准教授の矢島由佳さんです。「ふらの変形菌の会」のメンバーも協力してくれました。今回は今後行う特別展で展示するための大型の標本を採集することも目的の一つです。午前中はハイランドふらの駐車場に集合し、隣のラベンダーの森を散策しました。まずは採集の仕方を解説。大型の標本の採集によさそうな倒木にびっしりとついた変形菌を発見!(エツキケホコリ?)変形体の変形菌も見つけました(目につきやすく、同定にも役に立つのは胞子体なのですが、この胞子をつくる前のアメーバ状の姿のときを変形体といいます)。何種類もの変形菌がついている倒木。「銀座だ」「ほんとだ銀座だ」(←変形菌好きな人、たいていこう言います)ウツボホコリ類希望者のみ参加の午後はまず、島の下停車場近くの針葉樹の森を訪ねました。ケホコリ類キャビアのように輝く変形菌。幼菌のため種は不明です。ムラサキホコリ類マメホコリ類最後に鳥沼公園へ移動して観察しました。この日の鳥沼公園ではあまり見つけることができなかったのですが、思わぬ場所でフクロホコリの仲間と思しき変形菌を観察することができました。今回は、変形菌のファンになってくれた北海道新聞富良野支局の中元支局長が、転勤直前で大変忙しいときにも関わらず駆けつけてくださいました。下の記事も中元さんが昨秋書いて下さった記事。本当にお世話になりました。こんな不思議な生き物の世界にはまってみませんか?よりディープに取り組みたい方は、「ふらの変形菌の会」への参加も歓迎です。詳しくは当館にお問い合わせください。
富良野の自然に親しむ集いの第3回。元・東大演習林技術職員の井口和信さんを講師に、第2回で観察したホタルが繁殖して生まれた幼虫が光る様子を観察しました。写真としてはあまりいいものが撮れず、興奮を伝えきれないのですが、淡い光の幼虫の姿をみることができました。なお、流星群は曇りで見ることができず。解散の少し後に晴れ間から星空が見えました。とほほ・・・。
富良野の自然に親しむ集い・第5回「三笠ジオパークめぐり」を実施しました。この日、残念ながら天候に恵まれず、行程を調整しながら進めました。まずは、三笠市立博物館にて加納館長から展示を案内していただきました。アンモナイトや古生物についての展示。炭鉱など三笠の町の郷土史のコーナー。博物館を出てからは、三笠ジオパークの坂井ガイドに説明いただきました。まず、旧奔別炭鉱をバスの車窓から見学しました。最後に、本来であれば実際に現地見学するはずだった、メインの幾春別炭鉱を、スライドや映像でバーチャルで内容を見せていただきました。岩石と石の判別も。見学後はジオ弁当を堪能。炭鉱の模型実際に見学できなかったのは残念でしたが、三笠ジオパークの方々のご尽力のおかげで、アンモナイトをはじめとする一億年前の生命の痕跡や石炭という大地の遺産の恩恵を受けながら暮らしてきた炭鉱まち特有の自然と文化について深く学ぶことができました。ここまでみせていただいたらなおさら、実際に見てみたいもの・・・。5月の大型連休期間など、一般の方に公開している時期もあり、参加者のみなさんもぜひ実際に行ってみてみたいという思いを強くしたことと思います。記事をご覧の皆さんも日程などを情報収集の上、見学してみてはいかがでしょうか。
富良野の自然に親しむ集い 第4回 「湿地林の保全を考える」を、釧路湿原やサロベツ湿原など湿地環境の調査や復元に取り組んでいる北海道大学名誉教授の冨士田裕子さんをお招きし、開催しました。「富良野盆地の原風景」と言える鳥沼公園の湿地林ですが、近年乾燥化が著しく、ミズバショウやヘイケボタルが減少するなど環境が劇的に変化してきており、保全の方策を探るため、 各地の保全事例を聞かせてもらうことにしたのです。まず、富良野の自然に親しむ会のメンバーが鳥沼公園の魅力と状況をお話しし、冨士田先生を呼ぶに至った経緯をお話しし、(同会・永盛会長)その後、冨士田先生が登壇しました。主に道内各地の湿原の状況が語られ、道内の湿地の減少が思いのほか進んでいることに驚かされました。面積や林相などの点から鳥沼公園の参考にできそうな新篠津の湿地林ではどんな対策をとったのかなど、気になる話題が次々と出てきます。質疑応答では、道内の湿地の状況について掘り下げる質問が多く出ました。講演の後は鳥沼公園を散策。乾燥化の状況を視察すると共に、面積こそ小さいものの、天然記念物に指定されている女満別湿生植物群落と林相がよく似ており、間違いなく富良野市の人々が守っていく価値のある森だといっていただきました。さらに、鳥沼公園の自然環境の劣化を防ぐためには、乾燥化の度合いや植生の調査を早急に行い、その上で(おそらくは)導水による対策を行うべきとの提言もいただきました。鳥沼公園や富良野盆地の自然をこれからどうしていくか、地域の皆さんと一緒に考え、進んでいきたいと思います。
開拓以前の景観を残す鳥沼公園で、外来種オオハンゴンソウの花を摘み取り、自然環境を保全する活動を行いました。最初はもくもくと摘み取りです。オオハンゴンソウにはちょっと気の毒ですが、エネルギーを投じて咲かせた花を、結実する前に摘むと、分布を広げる力を弱めることができます。引っこ抜くのも大事ですが(6月の取り組みもご覧ください)、より気軽にできるので摘み取りもよい取り組みです。濃緑の葉の色に隠れがちですが、大き目の見ていて楽しい花が多く咲いているこの時期。摘み取りの帰り道には道から見られた花実を観察しました。ツルニンジンの花ミズキの実オオハンゴンソウの根茎は食べられないの?という話になったことから、アマドコロという草の根を観察。ちょっと試食もしてみました。※似た植物には有毒の物もあります。記念写真をパチリこのあとは鳥沼会館に入り、小林静子さんを講師にオオハンゴンソウなどを使った草木染めに取り掛かりました。染液につける前に”しぼり”をつけて模様が出るように準備します。今回はオオアワダチソウにミョウバン媒染を使った明るい黄色とオオハンゴンソウに銅媒染(鉄媒染の人も)を使った深緑色を組み合わせてみました。共催いただいた上川総合振興局の高橋さんの解説。アズマヒキガエルやウチダザリガニの標本を見せてもらいました。作品を手にみんなで記念写真を撮ってこの日はおしまい。これからも、気軽な気持ちで外来種の防除による身近な自然を守り残す活動を続けていきたいなと思います。毎年行っていますので、どなたでもどうぞお気軽にご参加ください。
富良野の自然に親しむ会との共催で、恒例のヘイケボタル観察会を山部自然公園・太陽の里で行いました。ヘイケボタルは開拓以前に富良野盆地を覆っていた湿地林や昔ながらの水田のような、流れの少ない安定した水場を生息地とします。幼虫がよじ登り、さなぎになれるような土手や中洲があることが重要です。出発前に、この地のヘイケボタルの生息状況について少しお話ししました。元々はホタルが細々とはみられていた山部自然公園太陽の里・遊々の森ですが、1988年にアスレチック広場を造成したため、激減してしまいました。しかし、その後、地域からホタルを呼び戻したいという要望があり、博物館で2009年からこの湿地環境を復元する事業に取り組むことになりました。放流はせずにもともと生息しているホタルが数を増やすのをじっくりと待ち続け、初めの数年はごくわずかに(3頭、5頭など)見られる程度でしたが、2016年からは一度に10頭以上を観察できるほどに増えてきました。これは翌々日、市民の方が撮影した動画を切り抜いたものですが、当日は林道わきの池で30頭以上、アスレチック広場跡地付近の造成池で約10頭が観察できました。次回の富良野の自然に親しむ集いでは幼虫の光も探しにいきますが、その幼虫の写真をお見せしています。これは終わりがけ、捕まえたヘビトンボの観察。2016年以前、ホタル観察会を行っていた鳥沼公園のハンノキ林はミズバショウが生い茂るような水場と、乾いた地面が組み合わさっていてヘイケボタルにとってすみよい環境でしたが、地下水位が低下し近年はほとんど見られなくなってしまいました。富良野市全体でも田んぼや農業用水路はかつてよい生息環境でしたが、コンクリート3面張りの水路や農薬の使用が広まった近年は観察できる場所は限られています。現在一定の生息数を取り戻したこのホタルの里のヘイケボタルが、これからも衰退せずに維持されていけるよう、皆さんと一緒にこの自然環境を見守っていければうれしいです。※個人で観察する際は、落枝や足元の崩れ、ヒグマの気配など安全面に注意してください。
現在開催中の特別展「シマエナガ」の記念講座として、シマエナガの模型に絵をつけるワークショップを開催しました。右が3Dプリンタでできた素材。これに色をつけて左のような作品にしていきます。講師はシマエナガの伝道師・山本光一さん(自然写真家)さん。まずは剥製から3Dプリンタを用いて制作した模型を紹介しています。アクリル絵の具などの画材を用いて着色していきました。水彩絵の具などで着色ちびっこの工作コーナーもにぎやか。どちらかというと大人の方たちはシマエナガの姿に忠実に、こどもたちはデフォルメしたかわいい姿に作っている様子でした。出来上がり!名前や模様をつけてくれた作品もありました。
現在開催中の特別展「シマエナガ」の記念講座として、シマエナガをもっと深く知り、さらにそれを通じて自然環境の保全や自然とのかかわり方を学ぶ講座を開催しました。講師はシマエナガの伝道師・山本光一さん(自然写真家)。※この写真はひしゃく(柄が長い)を使って、シマエナガの名前の由来を説明しているところ。巣作りあれこれ巣の標本(カラスなどに壊されたもの)。しょっちゅう壊されるけれど、めげずに作り直すそうです。休憩をはさんでからは、富良野の森と山本さんが長くフィールドにしてきた阿寒の森の姿を紹介しながら、「豊かな森」ってなんだろう?(木が多い、生き物の種類が多い??)ということについてお話してもらいました。東大演習林と前田一歩園財団の森の位置・広さ。長期間にわたって森を見つめることで発見がいっぱい。クマゲラの思わぬ生態を発見したときの写真を見ています。希少な生き物を簡単にみることのできない、奥行きのある森こそ、豊かな森の一つの指標になるのではないか。逆に言えば希少な生き物が簡単に見れてしまうような状態に危惧を覚える、そんな山本さんの思いを感じました。
博物館講座「プロジェクトO」は外来植物オオハンゴンソウ(O)の拡大をおさえる取り組みです。毎年6月は開拓以前の湿地林の自然環境が残る鳥沼公園で「抜き取り」作業を第1回として行っています。市内の建設関係企業の互助会であるサンエー会のメンバーと一般参加者合わせ30人近くが活動しました。共催として上川総合振興局にも協力いただきました。作業の前段として、まず当館職員が市内にわずかしか残されていない開拓以前の姿を残した湿地林である鳥沼公園の成り立ち、湿地林の乾燥化状況を解説し、なぜこの鳥沼公園でこの活動を行うのかをお話ししました(常連の皆さんはすっかり飽き飽きしていましたが・・・)。その後に講師の斎藤和範さん(札幌大学非常勤講師)が抜き取りの仕方を説明し、作業にかかりました。下見のときはずいぶん減ったと思っていたのですが、わけいっていくとたくさんのオオハンゴンソウが見つけ出されます。今回特に人数が多く、数の力でたくさん見つけてもらうことができました。初めての方はオオハンゴンソウの葉の見分け方からでしたが、だんだんと覚えていかれ、やがて一人でも次々と見つけて抜いていかれました。ちょっと休憩しています。一般の方も4名参加してくれました。講師の斎藤先生と語る高校生も。引き上げの時には「いや、奥にはまだまだあるわ」と手ごわいライバルを見るような目でやぶの奥を眺めておられたYシャツ姿の方。ふだん工事の現場や事務、銀行など様々な仕事の場で厳しく働いている親父さんたちの力強さも感じました。そして短時間の作業ながら、外来種の防除や在来の自然環境の保全といった活動の意義を、漠然とながら感じてくださったように思えました。今年が14年目の活動になりました。継続して活動にご協力いただいているサンエー会や参加者の皆さんには感謝の言葉もありません。これからも市民の皆さんとともに、市内の自然環境の調査・環境保全環境に取り組んでいきたいと思います。第2回の活動(博物館単独事業)は花の摘み取りとオオハンゴンソウ(ほか)を用いた草木染めで、8月24日(土)に実施予定です。ご参加お待ちしています。
特別展「シマエナガ」開催中!展示されているシマエナガ模型を作るワークショップを5月18日(土)に行いました。※記事の最後に作品展示の舞台裏の紹介記事へのリンクがあります見本を見て材料を集めます。紙工作で…手芸用の綿で…紙粘土で…ピンポン玉や卵でもウズラの卵も使用期限の過ぎたヘルメットを使って鳥の巣箱を使って・・・?厚紙を組み合わせて乾燥ミズゴケをつけて、何ができるのかな??旅行者の方も飛び入りで参加してくれました。ここからは完成した作品を紹介します。できた!コースターのような?アイデア作品がいっぱい道端の石に色づけした作品もだっこしながら満面の笑みこれはいったい…このお二人は展示制作ボランティアをしてくれていて、この日も参加者のみなさんのサポートをしてくれました。何かを作っています。作品たちがこの後どう展示されたか。舞台裏を見てください。→特別展「シマエナガ」展示づくり