博物館にこんな案内状が届きました。

3月25日にふらの・ものがたり文化の会が上演する演劇「鹿(しし)おどりの始まり」です(上富良野公民館大ホールにて)。
このお誘いが届いたきっかけは、昨年(2021年)11月に会員の方々に鳥沼公園のハンノキの林を案内したことでした。宮沢賢治が著した「鹿おどりの始まり」のストーリーではハンノキが象徴的に登場します。そのため、劇中でより気持ちを込めて演技するためにハンノキそのもののことや、なぜ富良野市博物館がハンノキを大切にしているかを理解したいと思ったのだそうです。

秋口に倒れたハンノキの大径木、そしてその後にできた裸地に植えたハンノキの実生をを見せながら(
ハンノキを植樹した10月16日の講座の様子)、「湿地林」という、富良野盆地の原風景の構成種のハンノキがかけがえのない樹木であることをお話ししました。

(参考画像・別日に撮影) 話を聞いた後、皆さんは劇中で鹿がハンノキを讃える歌を歌ってくれました。
「はんの木(ぎ)の
みどりみじんの葉の向(もご)さ
じゃらんじゃららんの
お日さん懸(か)がる。」
「お日さんを
せながさしょえば はんの木(ぎ)も
くだげで光る
鉄のかんがみ。」(5番まで続きます)
食べ物を得た鹿たちが、太陽や自然に感謝する気持ちから、誰言うともなく歌い踊りはじめた・・・というシーンです。なお、この歌はドラマ『北の国から』でも登場しました。鳥沼公園のハンノキ林は近年明らかに衰退しつつあります。でも、こんな風に自然を大切に思う気持ちが共有されていけば、これからもなんとか維持できるかも…と、学芸員も元気をもらいました。
25日の演劇、お時間がある方はご覧になってみてはいかがでしょうか?13:30からはじまります!