扇山小学校はよく展示を見に来てくれますが、今年の「昔の道具と暮らし」の授業はコロナ禍の影響もあり来館が難しいため、オンラインで展示案内してもらえないかと相談されました。
初めてのことなのでノウハウは何も無いのですが、よい機会ととらえて挑戦することにし、3月9日、2階のフロアで北国の生活(ストーブやスキー)→教育や商店の道具→昭和の暮らしの順に資料を紹介しました。
おがくずストーブ 商店の帳簿 しかし、実際なところ課題は山積みでした。ヘッドフォンを装着しオンライン会議アプリを用いて解説するのですが、お互い相手の言葉が1テンポ遅れて耳に入ることによるタイムラグや、解説する側が画面で子供たちの姿を見ていないことと音も小さいことから、子供たちに疑問を投げかけて反応を聞くのにリズムがつかめず、子供たちもキョトンとしていた様子。
昭和の暮らし 昔の通信簿を見せながら「おや?『勉強不充分』と書いてあるね(笑)」と語ったときなど、それを聞いた先生があわてたように「『もっと勉強しなさい』って通知表にかいてあるってことだよ」と子どもたちに”通訳”しているのが耳に入るのは赤面もの。世代的なギャップも含め、意図を伝えるための的確な説明や「間」の取り方など、話す相手が目の前にいないからこそ注意すべきことがたくさんあるのを学びました。
ダイヤル式電話 「灯り」についての質問への回答 今回、体制の不十分な中でも、積極的に授業に参加してくれた3年生の皆さんと先生に感謝です。本来は博物館に来てもらい実物を見るのが一番ですが、制約の中でできることを模索するため、オンラインの取り組みができるようになることは重要で、よい機会になりました。
現在のところ「オススメ」とは言い難いですか、博物館利用の選択肢の一つとして、学校の先生方に検討してもらえればと思います。