鳥沼公園は富良野盆地内では希少なハンノキが優占する湿地林で、開拓以前の原風景を残す貴重な自然環境です。当館では、環境保全のための情報収集を目的として、以下の定期的または単発の自然環境調査を行っています。
この記事ではそれらの調査の調査方法や場所、一部の調査結果を紹介します。
◆定点撮影(大まかな林相の把握)
14か所(うち2か所は林冠)の地点で撮影(撮影地点は以下の通り)。
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定点撮影&地下水位調査の直近の調査結果◆地下水位測定
3か所(全て「ハンノキの林」内)に測定管を設置し、年間約20回計測(測定の仕方と測定地点は以下の通り)。
測定方法・器具 調査地点過去の測定記録(
「富良野市博物館報告 第2号」より抜粋)
2018年度前半 2018年度後半
2019年度前半 2019年度後半◆林相調査(毎木調査)
2012年ー2014年自然調査ワークショップ「鳥沼生き物調査隊」で実施
調査結果概要(自然観察ガイドブック
「富良野の自然に親しむ 鳥沼公園をめぐる」より抜粋)
その他にフェノロジー、地表性哺乳類、春植物、底生生物、土壌動物(以上、自然調査ワークショップの一環として実施)、ヘイケボタルの出現数などの調査を実施しています。
【保全の取り組みが必要と考えられる課題】
・地下水位の減少による乾燥化とそれにともなう生物相の変化(林相の変化・ヘイケボタルの減少など)
・散策路の拡大による樹木の減少
・枯損木(安全性に問題のないもの)の撤去による野鳥・昆虫・菌類などの生息場所の減少
・オオハンゴンソウ、ニセアカシア、アズマヒキガエルといった外来種の侵入