3/18 ふらのの自然を見つめて〜富良野の自然に親しむ集い30年の歩み〜

掲載日 2023-5-14 0:00:00 | トピック: 博物館講座

いつも当館と共催で自然観察会や講演会を実施している「富良野の自然に親しむ会」の設立30周年を記念し、シンポジウムや座談会、展示、体験を合わせたイベントを富良野市複合庁舎1階で行いました。

第一部は、創設メンバーでもある永盛会長・井口副会長が、博物館と連携する以前の1992年からはじまる「富良野の自然に親しむ会」の歩みを紹介しました。井口さんは観察した場所やテーマの紹介や、設立の経緯(鳥沼公園の改修計画を耳にし、その動きを問題視するところから始まった)を、


永盛俊行さんは元高校教諭や”虫屋”目線の立場から、理科教育の視点も交えて自然に親しむ活動の意義をお話しました。


中身の濃い話ではあったのですが、やはり子供たちにはこの話を1時間聞き続けることは大変。会場後方には第二部のために体験コーナーがたくさん準備されていたので、そこで会員と一緒に一足先に観察会を開始しました(この写真は石黒誠さんと一緒に筆でプラナリアを取り出して観察しています)。


やがて、第二部がはじまり、本格的に皆さんが会場後方で体験コーナーを楽しみます。
☆カブトムシの幼虫を手に持ってわくわく。


☆樹木コーナー


☆アンモナイト・レプリカづくりは何度も化石観察会の講師を引き受けてくれている森伸一さんが提供してくれた一押しの体験コーナーでした。


☆むしむしカード。初期の自然に親しむ集いはほとんど富良野高校科学部と一体でした。当時の永盛会長の教え子の瀬川琢磨さん(現在高校教諭)が作って勤務校でも活用しているスペシャルアイテムも、この日みんなで楽しみました。


☆コウモリコーナー。


どの会員も生き生きと得意分野の生き物を解説していました。
このイベントを企画するにあたって、「自然に親しむ」ことと「富良野の自然の現状を知ってもらう学び」のどちらも大切だという思いは会員の間で一致しており、ではどんな構成にしよう?と3か月ほど前から話し合いを重ねてきました。その結果、講演は必要だけれど、体験要素がたくさん入っているのがいいねとなり、それらの要素を織り交ぜた三部構成となったのです。

第三部は会場の皆さんから、聞きたい自然ネタを言ってもらい、会員が答える形式でした。


この写真は地質を語る美土路健さん、カワシンジュガイの現状を語る瀬川さんですが、結局すべての会員がお話しすることになりました。


最後に永盛会長から、鳥沼公園の湿地林の乾燥化やホタルの減少、一方で植樹地の木々が育ちつつあることなど、30年間の自然の変化やこれから私たちが郷土の自然にどう付き合っていくべきかということに触れてまとめとしました。


主な参加者は大人でしたが、子供たちも少なくなく、総勢50人もの方に来てくれました。運営助っ人の10人近くの富良野高校科学部員もおり、多世代が入り混じった学びの場となりました。ご参加、ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございました。



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