【振り返り】富良野の自然に親しむ集い「アニマルトラッキング」

掲載日 2021-3-22 9:50:00 | トピック: 博物館講座

3月20日(土)、バスで雪によく埋もれた山部太陽の里キャンプ場周辺を訪れ、自然観察会を実施しました。

最初は拓かれた雪原を歩きつつ、芦別岳や背後の十勝岳連峰、石綿鉱山を見ながら地形の成り立ちを学びます(上の写真)。この後、生き物の痕跡を探して散策しました。

毎年ヒグマの爪痕がつく木には決まってヤマブドウやコクワなどのつる植物が巻き付いています。


木肌には渦巻き状のオオトラカミキリの食痕もありました(実はこの写真は職員が下見した付近の別個体のものですが)。弱って菌類がとりつき腐朽した木につく虫は様々な種類があり、食べ痕の様子である程度判別できます。


クマゲラの食痕で穴だらけになった枯木立ち。弱った木は昆虫たちを養い、その虫たちを食べる鳥たちも養います。


エゾモモンガの糞や食痕


卵の状態で冬越しする蝶をさがそうと、ルーペを持ってミズナラの冬芽を観察。


ジョウザンミドリシジミのほか、見つけるのが難しいとされるアカシジミの卵も見ることができました。


花粉症が悩ましいケヤマハンノキの開花情報。樹木では他にカツラ、シラカンバ、バッコヤナギなどの冬芽や雌雄の花を観察しました。


エゾリスの足跡もかなりくっきりと。


この日はキタキツネ、エゾクロテン、イイズナの足跡も見れました。

終盤は夏にヘイケボタルの観察会をした場所の様子も確認。


意外にもシカの食痕が少なく、ようやく見つけたこの場所でオヒョウなどの木肌を食べて命をつなぐエゾシカの話をしました。


今年度の自然に親しむ集いはこれで最終回。コロナ禍による予定変更や感染対策などで、参加者の皆さんには大変ご迷惑をおかけしましたが、ご参加・ご協力ありがとうございました。来年度もご参加をお待ちしています。



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