【講座報告】7/2 富良野の自然に親しむ集い第2回「十勝岳の火山活動と小松原原生林」

掲載日 2017-7-8 19:40:00 | トピック: 博物館講座

今回は、富良野盆地の地質に大きな影響を与えている十勝岳の火山活動をテーマにとし、「小松原原生林」の遊歩道を散策しました。講師は北海道教育大旭川校教授で地学が専門の和田恵治さんです。

序盤では、約3000年前に流れた「グラウンド火口溶岩」の堆積を右手に見ながら、そんな地質上に生える木々の解説を聞いて歩きました。ここに多く生育しているのはエゾマツですが、病気に弱い本種がどのように繁栄しているのかを学びました。
 

グラウンド火口溶岩上に立つと、まるで人工のロックガーデンのような景色が広がります。
 

こういった場所に特有のイソツツジの花を見たり、手に取って岩石を観察したりしました。
 

約20〜数万年前の美瑛岳溶岩上は時間がたち、植生が発達していますが、地面を掘れば大岩が当たるとのこと。ここでは珍しいヒカリゴケやイチヨウランも見ることができました。
 

ここまでアップダウンの多い道のりで、参加者の皆さんも疲れ気味でしたが、「硫黄沢」を石づたいに渡った後は、コースも平坦になってきます。この先は、平ヶ丈溶岩という約30〜20万年前の溶岩上の地質になり、アカエゾマツの細く密集した林になってきます。
 

この辺りから、雨が強くなり観察もそこそこに帰途を急ぎましたが、葉緑素を持たない腐生植物ギンリョウソウが見られました。


この後、大雪青少年自然の家にお邪魔し、昼食をとりました。時間がおしたため、この後の見学コース(火山砂防情報センター見学など)は取りやめました。代わりに、たまたま施設に置かれていた大正泥流(十勝岳噴火により、大規模な被害をもたらした)の流路の模型を見ることができました。
 

地質は、動植物に比べると親しみにくいものの、それらの土台となる重要な自然要素です。普段の観察会では、講師のお話では説明があっても、実感がわかず理解が深まりにくい題材でしたが、今回は地質に関して深く学習できる観察会になりました。


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