東大演習林内の遺跡調査再開!

掲載日 2006-10-17 22:40:00 | トピック: 博物館活動

あっという間に枯葉舞う秋…。毎年ながらてんてこ舞いの夏が過ぎ、クマの処理やら、学芸員実習やらでへらへらしていたらあっという間にトキが経っているではないか…。
昨年から開始した東大演習林内の遺跡調査。要は、遺跡があるかどうか、調べているわけですが、これがとっても根気のいる仕事です。想像してみよう。だだっぴろい演習林の森の中を、それも土中に埋まった小さなイブツたちを探し当てるのですから、気が何万光年も遠くなります。がしかし、何もあてずっぽに探し回っているわけではなく、河川等の水源が確保でき、かつ安全と思われる場所、地形が平坦あるいは緩斜面であること、河川や沢の合流部など通行の場として重要と思われる場所などなど、よーく考えて掘るわけです。しかし先日(14日)の調査のように、すでに知られている遺跡のそばで調査したので、「出そうにない?ハハハ、いやだなぁ、ココは出ますよぅ」なんて自信たっぷりに言っちゃったりするんですが、結局全く見つからない日もあります。そんな日はお互いけっこう無言になっちゃってけっこうヘコむものです。
さぁ来週から盛り返すぞっ!!!!!
*ちなみに昨年は縄文時代早期・中期・晩期にかけての遺跡7箇所を発見しています(少し偉そう)。今年は…、もう寒いし…ね(かなり言い訳)。
























昨年の調査から。こんなササヤブで調査するのだ。黒い網をかぶった人物は、ここが蚊の王国であることを物語る…。夏はつらいのだよ。




























蚊に食われながらもひたすら掘り続ける隊員たち。あわれ。右の人物は土層を観察しながらスコップで掘り下げており、左の人物は掘り上げた土の中に土器や石器が含まれていないか、細心の注意を払って調べている。蚊に囲まれながら…。

























しかし、努力は報われたのだ。出土した資料の大半は破片ではあるが、その特徴から縄文早期後半の遺跡であることが判明。この遺跡は「老節布8遺跡」というフツーの名前が付けられた。たとえ、おもしろいものが出たからといって、おもしろい名前にはできないのである。



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