富良野市博物館
このページでは2020年10月24日に開催した変形菌調査で採集した標本を、参加者のSさんと図鑑を見ながら種名を推定した様子を紹介しています。(この調査の紹介記事もご覧ください。→10/24 変形菌調査)
富良野駅で掲示されている記念パネルにおいて、一部資料(古写真など)を提供しています。お立ち寄りの際はどうぞご覧ください。詳細は以下のリンク(JR北海道公式ページ)をご覧ください。富良野線が全線開通して120年を迎えますーJR北海道なお、9月19日(土)には博物館講座「魅力再発見!"プチ"レトロ建築巡り〜鉄道にまつわる遺産をめぐる〜」を開催予定です(このパネル展示とは直接かかわりありません)。この講座の概要については9月の博物館行事の紹介ページをごらんください。
2019年度末で閉校した山部中学校から、資料の一部を寄贈いただきました。【考古資料】鳥沼〜布部で採取された土器片・石器 6箱学校教材として使われた日本各地で発掘された考古資料のレプリカ 9点富良野市内出土資料(上部の土器2点は学校教材)【生物資料】液浸標本 4点さくよう(押し葉)標本 約180点昆虫や鉱物標本なども多数貰い受けました。【その他】天体望遠鏡やプラネタリウム投影機など受領したものは、地域の歴史や生物相を解明する資料などとして活用させていただきます。なお、全国的に頒布されている学校教材や採取地のはっきりしない標本・保存状態のよくない標本は収蔵スペースなどを鑑みて受け入れしないものもありました。地域の自然史を明らかにする手がかりとなるため、標本ラベルがあるとその標本の価値は格段にあがります。
学芸職員部会は北海道博物館協会内に属する組織です。年に一度、道内の学芸員が集まり、外部講師を招いたり互いに知識や日々の業務で得た経験を共有する研修会を開催します。今年度は国立アイヌ民族博物館の開館を間近に控えた白老町で開催されました。今回は博物館同士が資料を貸し借りする際に必要な梱包方法などの作業がテーマです。初日は資料を輸送するための緩衝材の作り方や、固定するための薄葉紙(うすようし)から紐を作る方法、資料を入れた段ボールの縛り方を実習したり、民具などの資料の梱包や保存方法の解説を聞くなどして学びました。【薄葉紙をさいて作成する梱包用の紐づくり】【綿と薄葉紙を用いた梱包用の緩衝材づくり】2日目は資料の貸し借りをする際、良好な状態を保って輸送、展示、最終的には返却するための方法、特に資料の状態を記載するカルテについて北海道博物館の様式を例に解説を受けました。また、貸し借りを実際にした際の事例を聞いたり、借り出しの際に資料の状態を観察し記録する作業の実習も行いました。【資料の状態チェック(古文書)】【資料の状態チェック(掛け軸)】道内は規模が小さく人員が限られている博物館が多いので、資料の貸し借りなどで他館とスムーズにやりとりすることは、展示などの普及活動のためにもとても重要です。当館でもここ2年にわたり士別市立博物館と資料の貸し借りを頻繁にしていることもあり、担当者は大変勉強になりました。また、1泊2日の日程の中では、北海道各地に散らばっている学芸員同士が業務の中で抱えている想いを共有し相談したりモチベーションを得る大切な機会ともなっています。開催地白老町教育委員会の武永さん、講師を務めていただいた古原さん、岡田さん、三浦さん、部会役員や担当ブロックの皆様には大変お世話になりました。なお、今回行われた役員の改選で当館の澤田学芸員が部会長に就任しました。
8月中旬、ある来館者から「博物館にある『壺』を見せてほしい」との申し出がありました。この方は石見焼の形態や流通を研究している阿部志朗先生(島根県立浜田高校)で、石見焼の製品の北海道への移入状況を調べていたのです。展示室や収蔵庫にある壺を見て頂くと、まずは底面の表記を確認します。「〇斗」と書いてあることが多く、中には「〇号」とついていることも(〇は漢数字が入ります)。記載がない(すれて消えてしまっているなど)場合もありましたが、その場合も高台がないことや、継ぎ目(石見焼は三つほどの部分を組み合わせて作る)、模様(液体が垂れているようなマーク)等を見て、当館の壺のほぼ9割を石見焼と判断していました。「○斗」は坪のサイズを表します。そして「〇号」とあるのは壺のセット販売をしている場合にその個数を示しています。当時輸送の利便性から大きな壺の中に中くらいの壺、中くらいの壺の中にに小さな壺を入れていき、入れ子式にして売ることが多かったのです。石見焼は作られるようになった江戸時代ごろから北海道(や東北)に渡ってきていることが多いそうで、阿部先生はこれまでも何度か北海道に足を運び各地の資料館などにある壺を調査され、その成果を裏付けているそうです。短い時間の滞在でしたが、収蔵物の由来について興味深い知見を教えていただくことができました。こういった地道な研究活動から歴史が解明されていくことが感じさせられました。
4月中、富良野市内ではヒグマの出没情報が頻繁に聞かれ、雪解けの春が来たのをひしひしと感じていました。 そんな中、ヒグマ頭骨の性別・年齢や地域による形態の違いを調べることを目的に、近隣の自然教育施設の職員の方が来館し、当館の頭骨資料を調べていかれました。 当館には哺乳類を専門にした学芸員は不在ですが、かつて狩猟により収集され寄贈されたヒグマの頭骨12点があり、そのうち10点については年齢・性別などの詳しい情報が記載されていたため、調査に役立てていただくことができました。 調査者は図鑑などの資料も参考に、性別などの違いを調べていましたが、記載されていること以外にも、雌雄により部位の幅や突き出方の傾向の違いがあることを考察していました。 博物館が地域の自然資料として標本を残すことは、収蔵館の職員や採集者が地域の自然を保全するための資料とし、また保全できなかった場合は生存の記録とする重要な意義があります。さらに、学芸員の専門性が異なっていて、それ以上のことが調べられない場合も、別の方が研究して新たな発見をすることにもつながることがあります。 文化・自然を問わず地域の資料を保存していくことが、その地域の博物館の役割だといえます。
2月15日の「鳥沼・生き物調査隊」ではじめた樹木しらべ。雪のあるうちにと残りの木を調べていましたが、ついにこのエリア約400本の調査を完了しました!イベントの参加者のみなさん、ありがとうございました☆本日お手伝いいただいたお二人に感謝の言葉もありません。本日見つけたものをショートストーリーにして紹介します(「泉さん」というのは私のことです)。話の出来はいまいちですが(実話です)、うんちの迫力に免じて許してください。このうんち、どんな動物のものだかわかりますか?答えを下の方に書いておきますね。答えは・・・・・モモンガ!でした。
全道の博物館関係職員が集うシンポジウムが6月4日・5日に富良野市で開催されます。4日午後からの講演&シンポジウムには一般参加(無料)できますので、ぜひご参加下さい。テーマは「五感を呼び覚ます博物館活動〜豊かな感性・知的好奇心・想像力を育むために〜」13:15〜14:30特別講演「日本の森に培われた暮らし」NPO法人樹木・環境ネットワーク協会 理事長 澁澤寿一氏14:35〜17:00シンポジウム「五感を呼び覚ます博物館活動」パネリスト 北海道教育大学旭川校 准教授 大鹿聖公氏 NPO法人C・C・C富良野自然塾 フィールドディレクター 齋藤典世氏 NPO法人樹木・環境ネットワーク協会 理事長 澁澤寿一氏コーディネーター 生涯学習センターボランティア友の会 会長 倉橋昭夫氏 <シンポジウム開催趣旨>博物館園等での展示・講座・体験学習・ワークショップなどにおいて、また、学校現場の授業において、「五感を使った活動」あるいは「感受性に働きかける活動」などにより、体験を通して理論を発見したり、自分自身を表現する喜びを知ってもらおうとする取り組みは、昨今活発に行われるようになってきた。富良野市においては、環境の世紀と呼ばれる社会的背景・時代の要請の中で、その恵まれた自然環境を生かして各方面で環境教育への取り組みが始まっている。また、芸術分野についても鑑賞するだけにとどまらず、子どもから大人まで創作活動に参加できる場が持たれるようになってきた。そのような現状の下、今後さらに重要性を増すであろうこれらの体験活動に対し、博物館はどのように関わるべきか、その可能性を展望する。
「ナキウサギの鳴く里プロジェクト協議会」のホームページは次のアドレスに移動しました。そちらをご覧ください。→http://www.nakiusagi.org/