富良野市博物館
今回で5回目を迎えた全道で植物相や開花時期を調べる取り組み「北海道フラワーソン」に合わせて、草花観察会を開催しました。◆初日「ご近所の草花かんさつ」◆まち中を歩いた後、朝日が丘公園まで足を延ばし、54種類を記録しました。最初に、文化会館の周りや空き地の草花調べ。次に、空知川の河川敷。最後に朝日が丘公園沿いも散策。こちらは在来の山野草がたくさん。エゾイラクサに刺されないよう注意しながら観察しました。◆二日目「森の草花かんさつ」◆太陽の里・沢コース(芦別岳ふもとの散策路)をめぐりました。トドマツと広葉樹が混生した明るい林の下には、ミヤマエンレイソウなどが生えていおり、28種類を記録しました。サイハイランの群落は見事でした。初日は(朝日が丘公園以外では)外来種の比率が8割ほどだったのに対し、二日目は外来種はゼロ。私たちが生活空間として利用しているまち中や河川敷は、もともとその地になかった種が入り込みやすいことがわかります。身近な雑草でも、ハコベは在来種ですが、オオイヌノフグリが外来種であるといったことはちょっと意外かもしれませんが、生活にとけこんでいる草花の中に外来種がかなり多いのは事実です。 私たちが見ている、道ばたに雑草の生えるまちの景色は、100年ほどさかのぼればだいぶ違ったものだったでしょう。そして外来種ははまればあっという間に増えるので、10年後のまち中の様子はずいぶん違っているかもしれません。一方、現在は自然度高く残っている森も、今後の土地利用の仕方によっては、変化していく可能性もあります。今回「まち中」「森林」それぞれに現状の植物相を調べましたが、そういう変化を追うという意味で、この調査結果が後世になってとても意味をもってくるものと思われます。両日とも参加してくれた方もおられました。ありがとうございました。また、この2日間はことぶき大学(市の高齢者大学)・自然愛好会の方が鳥沼公園を調べたり、東大演習林の面々が芦別岳方面に行ってフラワーソンの調査をしています。この二日で富良野市内でもずいぶん植物が調べられたようです。北海道フラワーソンの結果が発表されるのが楽しみですね。